それでも僕は映画を見る〜ヤマシンの映画ブログ〜

映画の感想を書くことを生き甲斐とした男のブログでございます。

『きみはいい子』(2015)

『きみはいい子』(2015)

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監督:呉美保

出演:高良健吾尾野真千子喜多道枝、他

配給:アークエンタテイメント

そこのみにて光輝く」でモントリオール世界映画祭の最優秀監督賞を受賞した呉美保監督が、2013年本屋大賞で第4位にも選ばれた中脇初枝の同名短編小説集を映画化。5つの短編から成る原作から、「サンタさんの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちは、さようなら」という3編を1本の映画にした。真面目だがクラスの問題に正面から向き合えない新米教師や、幼い頃に受けた暴力がトラウマになり、自分の子どもを傷つけてしまう母親など、子どもたちやそれに関わる大人たちが抱える現代社会の問題を通して、人が人を愛することの大切さを描き出す。出演は高良健吾尾野真千子のほか、「そこのみにて光輝く」に続いての呉監督作となる池脇千鶴高橋和也ら。

映画.comより

 

【感想】⁡

見る人が増えるほど世界に平和が訪れそうだ。上辺ではない本当の優しさ。児童虐待、ネグレクトなど重たいテーマを詰め込んでいるにもかかわらず、とても見やすかったです。最高。とても距離の近さを感じます。学校の校舎、公園、おばあちゃんの家とか、ほぼ全員通ってきたといえる場所、状況の連続。自分の辿ってきた過去や現在としょっちゅう思い比べてしまった。

北海道小樽市のオールロケ、みずみずしい。函館三部作にも存在していた常に夜明けのような湿度感。これまでも家族をテーマに映画を作ってこられた呉美保監督。共通して見える小さな家族の細部を描く姿勢。自身の血肉で描いたかのような等身大の家族の物語。

児童虐待の目を背けたくなるシーンも、人と人が結びつく感動的なシーンも、一つ一つが沁みる。。中でも、終盤の高良健吾演じる小学校教師と生徒との掛け合いはよかったな〜

さまざまな人間関係による社会的な問題が描かれているけど、紐解くとやっぱり家族。そこに目をつけ丁寧に描ききった、すごいな〜

 

【満足度】

85%100%中)