『インヒアレント・ヴァイス』(2015)
『インヒアレント・ヴァイス』(2015)
出演:ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、キャサリン・ウォーターストーン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロ、マーティン・ショート、ジェナ・マローン、ジョアンナ・ニューサム、エリック・ロバーツ、他
【概要】
「ザ・マスター」のポール・トーマス・アンダーソン監督とホアキン・フェニックスが再タッグを組み、米作家トマス・ピンチョンの探偵小説「LAヴァイス」を映画化。1970年代のロサンゼルスを舞台に、ヒッピーの探偵ドックが、元恋人の依頼を受けたことから思わぬ陰謀に巻き込まれていく姿を描いた。元恋人のシャスタから、彼女が愛人をしている不動産王の悪だくみを暴いてほしいと依頼された私立探偵のドック。しかし、ドックが調査を開始すると不動産王もシャスタも姿を消してしまう。ドックはやがて、巨大な金が動く土地開発に絡んだ、国際麻薬組織の陰謀に引き寄せらていく。共演にジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロ。
映画.comより
【つぶやき】
どうも、ヤマシンです!
本日の映画はポール・トーマス・アンダーソン監督の『インヒアレント・ヴァイス』
ちょ、、これは、、
と見ていて170回くらい思いました。
何が何だかわからないんですね。
それもそのはず、主演のホアキン・フェニックスは役作りにおいて「理解することより混乱することが重要」と自らに言い聞かせ
共演のリース・ウェザースプーンも「混乱していると思われるのが狙いなのよ」と言い
はたまた監督自身も当初は「こんなの映画化絶対無理やん」と思ってらっしゃった
とのことで、僕が混乱せずに見れていたら彼らよりすごい人間だということになってしまう。
だったら今頃僕はスパイダーマンの敵役をしたりしてブイブイ言わせてるわけです。
どの映画もそうだとは思いますが、本作はとくに「わからなくても大丈夫」な映画なのですね。
わからないをわかっていく『シン・ゴジラ』に対して、わからないをわからないと言える本作。
開き直って見ることができると、意外と楽しい映画です。
なにせ、映像がイカしてること無問題!
凍ったチョコバナナを妖艶にレロレロする角刈りのジョシュ・ブローリンが見れたり
そのレロレロ角刈りジョシュ・ブローリンに膝で踏みつけられるホアキン・フェニックスが見れたり
CANの「Vitamin C」にのせて始まるオープニングクレジットがとてもカッコ良かったり(音楽はレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが担当!)
ピンクなシーンの描き方も一筋縄ではいかない。。
PTAのお抱え撮影監督ロバート・エルスウィットが撮る35ミリフィルムカメラの質感、70年代のロサンゼルスの再現もあいまって超グルーヴィーなんです!
『インヒアレント・ヴァイス』は海上保険の用語で「物事に内在する欠陥」
アメリカに内在する、もっと言うと人間に内在する欠陥を描いた作品ともいえます。
一見ぶっ飛んでるけど、僕たちの生活の延長上にあることだけで成立しているかのようにも思える。
手を振るかわりに中指を立て合うMr.ビーンチックな日常に潜む妄想ダークサイドがコツコツと描かれる。
お気に入りのシーンは薬中のマーティン・ドノヴァンがズボンを下ろしながら画面に向かって小走りするところ。
進撃の巨人と上島竜兵と『SCOOP!』のチャラ源をミックスさせたような奇跡を目にすることができるのですが、それだって薬を吸って、小走りして、ズボンをおろしさえすれば現実にできてしまうこと。
ゴリゴリマッチョのドウェイン・ジョンソンが建物と建物の間を飛ぶようなことは決してありません。
ちょっと手の届く部分があるからこそ、だいぶ変で面白いです。笑
「ストーリーの整合性?なんだそれ、ガタガタ言ってんじゃねえよ馬鹿野郎!!」(byアウトレイジの大友)
そうです、ストーリーが知りたければ、原作の書籍「LAヴァイス」をアマゾンで購入し、じっくり読めばいいだけのことですから。
わからないを受け入れたとき、わかるものがある、禅問答みたいな作品『インヒアレント・ヴァイス』
小説と映画の中だからこそ描ける飛んだ日常がそこにありました。
ちょっとチャレンジしたい方にオススメの作品!
それではまた〜👨🏻🚀
【満足度】
75%!(100%中)